ノーベル賞6部門の一つで、化学の分野で功績があった人を顕彰する賞。2013年10月9日、スウェーデン王立科学アカデミーは、同年の賞をアメリカのハーバード大学のマーティン・カープラス名誉教授、スタンフォード大学のマイケル・レビット教授、南カリフォルニア大学のアリー・ウォーシェル特別教授の3人に贈ると発表した。授賞理由は「複雑な化学システムのための多重スケールモデル開発」。カープラス教授らは1970年代から、化学反応の解析や予測にコンピューターを使う方法を開発。反応過程の重要な部分は量子力学、その他は古典力学を使うことで、計算量が膨大になるのを抑えながら、コンピューター上で化学反応を正確にシミュレーションすることを可能にした。この研究が計算科学発展の基礎となり、新薬開発に貢献したほか、植物の光合成や自動車の排ガス浄化などの解明につながった。授賞式は2013年12月10日にストックホルムで開かれ、賞金の800万スウェーデン・クローナ(約1億2000万円)は3人で分けられる。