ノーベル賞6部門の一つで、物理学の分野で功績があった人を顕彰する賞。2013年10月8日、スウェーデン王立科学アカデミーは、同年の賞をイギリスのエディンバラ大学のピーター・ヒッグス名誉教授と、ベルギーのブリュッセル自由大学のフランソワ・アングレール名誉教授の2人に贈ると発表した。現代物理学では、ビッグバンで宇宙が誕生した瞬間、あらゆる素粒子は質量を持たずに光の速さで自由に飛び回っていたと考えられている。両氏は、ビッグバン後に他の素粒子に質量を与えて動きを鈍くする粒子が宇宙を満たしたとする理論を提唱、1964年に別々に論文を発表した。存在が予言された粒子は、のちにヒッグス粒子と名づけられ、2012年7月にはヨーロッパ合同原子核研究機関(CERN)の国際研究チームが、ヒッグス粒子を発見したと発表。これにより、物理学の標準理論で存在が予言された17種類の素粒子すべての存在が実証された。授賞式は2013年12月10日にストックホルムで開かれ、賞金の800万スウェーデン・クローナ(約1億2000万円)は2人で分けられる。