鹿児島県薩摩川内市にある九州電力(本店・福岡市)の原子力発電所。2基の加圧水型軽水炉を備え、出力はともに89万キロワット。1号機は1984年7月に、2号機は85年11月に営業運転を開始した。東京電力福島第一原子力発電所事故発生後の2011年5月に実施された定期検査で1号機が稼働停止し、同年9月に2号機も停止した。福島第一原発事故を受けて定められた新規制基準が施行された13年7月、九州電力は原子力規制委員会に川内原発の審査を申請。14年9月に全国で初めて、新規制基準を満たすと認められて審査に合格した。審査合格を受け、同原発1号機は15年3月から使用前検査が開始され、同年7月には核燃料を原子炉に搬入。同年8月11日、原子炉が起動されて約4年3カ月ぶりに再稼働した。13年9月に関西電力大飯原子力発電所(福井県大飯郡)が稼働停止して以来、1年11カ月ぶりの原発稼働であり、新規制基準下での再稼働は全国初となった。一方、川内原発の周辺には多数の火山があり、噴火時リスクへの対応も未整備で、事故の際の住民避難訓練も実施されていない中での再稼働に不安と反対の声も多い。