強い雨を降らせる帯状に発達した積乱雲。台風の反時計回りの渦に引き込まれた、南からの大量の湿った空気が、山などにぶつかって上昇気流となり、台風のへりに沿うように東側に形成される。台風の中心から数百キロ離れた地域で発生することが多く、勢力の強い大きな台風では1000キロ近く離れた地域でも発生する。2014年8月の台風11号では、中心から遠く離れた三重県で大雨、栃木県で竜巻の被害をもたらした。同月9日、四国南岸で停滞した同台風により三重県上空にレインバンドが発生。気象庁は三重県全域に大雨特別警報を発令し、同県は県民の3分の1に当たる56万人超に避難指示を出した。10日には、台風の中心が兵庫県付近に移動するにつれて、神奈川県から群馬県に至る南北150キロ、高さ10キロのレインバンドが発生。栃木県上空へと移動し、竜巻の原因となった。