旧ソ連のラトビアで開発された抗虚血薬。主に心血管疾患の治療に用いられるが、持久力の向上や疲労回復などにも効果があるとされており、ロシアや東欧諸国のスポーツ選手の間で、広く用いられてきた。2016年1月から、代謝調整剤として世界反ドーピング機関(WADA)の禁止薬物リストに追加された。追加理由は、「競技力向上の目的で競技者によって使用された事実がある」こととされている。ロシアの女子テニスプレーヤー、マリア・シャラポワが、16年3月7日、同年1月の全豪オープンでのドーピング検査により、メルドニウムの陽性反応が出たことを公表した。健康上の理由により、06年から医師に処方されていたという。シャラポワのほかに、14年ソチ・オリンピックのフィギュアスケート団体戦でロシアの金メダル獲得に貢献したアイスダンスのエカテリーナ・ボブロワ、15年東京マラソンで優勝したエチオピアのエンデショー・ネゲセらも、同薬物への陽性反応を示したことが確認されている。