主な活断層で発生する地震や海溝型地震を対象として、地震の規模や一定期間内に地震が発生する確率を予測したもの。政府の地震調査研究推進本部(本部長松野博一文部科学大臣)が公表している。従来、主な活断層で30年以内に地震が発生する確率を数値で表し、3%以上を「高い」、0.1~3%未満を「やや高い」、0.1%未満または確率が不明といった場合は「表記なし」としてきた。しかし、活断層で起こる地震は発生間隔が数千年単位であるため、確率が大きな数値にならない。そのため、地震発生のリスクが低いという誤った印象を与えることがあった。2016年4月に熊本地震を引き起した布田川(ふたがわ)断層帯でも、確率がほぼ0~0.9%と評価されていたため、かえって安心情報と受け取られていたとの批判が出されていた。これを受け、地震本部では長期評価の表記方法の見直しに着手。16年8月19日の同本部政策委員会において、今後30年以内に地震が発生する確率が3%以上の活断層を「Sランク」、0.1~3%未満を「Aランク」、0.1%未満を「Zランク」、地震発生確率は不明だが、すぐに地震が起こることを否定できない活断層を「Xランク」とする表記方法に改めることを正式に決定した。特に地震発生の切迫度が高い活断層には、「*」を付けて注意を促す。97の主な活断層のうち、約3分の1に当たる29の活断層がSランクに該当する。