ブロッコリーなどアブラナ科の野菜に含まれる辛み成分。植物に含まれる天然の化学成分であるファイトケミカルの一種。特に、ブロッコリーの種を発芽させたスーパースプラウトには、高い濃度で含まれている。体内の有害物質を無毒化する解毒作用、活性酸素から体を守る抗酸化作用、胃炎や胃がんを引き起こす危険因子であるピロリ菌の除菌作用、花粉症の抑制作用などがあることで知られている。千葉大学社会精神保健教育センターの橋本謙二教授らが、東北大学、カゴメと共同で行った研究の結果、スルフォラファンの摂取がうつ病の予防や再発防止に有用であることが明らかとなった。実験では、大きさが異なるマウスを同じケージで飼育し、体の大きな攻撃的なマウスに1日10分間小型のマウスを攻撃させ、小型のマウスを社会的敗北ストレスによるうつ状態にした。実験後、マウスに普通の水とショ糖が入った甘い水を飲ませると、健康なマウスは70~80%の割合で甘い水を飲むが、うつ状態のマウスでは50%に減少する。しかし、事前にスルフォラファンを注射したマウスでは、ストレスを与えても健康なマウスと同程度の割合で甘い水を飲むことが明らかになった。このことから、スルフォラファンにはうつ病の発症を抑える効果があると考えられる。