京都府八幡市の男山にある神社。平安時代の859年、大安寺の僧、行教が豊前国(現在の大分県)の宇佐八幡宮にこもったとき、八幡大神様のお告げを受け、男山の峯に御神霊を奉安したのが始まりで、翌860年に創建された。御祭神は本殿中央に応神天皇、西に比●大神(ひめおおかみ、●は口へんに羊)、東に神功(じんぐう)皇后が祀(まつ)られており、八幡三所大神と総称されている。明治初期に官幣(かんぺい)大社となり男山八幡宮と改称されたが、1918年に再び石清水八幡宮と改称された。「やわたのはちまんさん」の名で親しまれ、厄除けの神様として信仰されている。建築形式は内殿と外殿(げでん)を前後に並べて内部を一体化させた八幡造で、現存する同形式の本殿としては最も古く、最大の規模を誇る。本殿を含む社殿群はたびたび焼失と修復を繰り返しており、現在の社殿群は1634年に江戸幕府第3代将軍、徳川家光の普請によって建て替えられたもの。2015年10月16日に、文化庁の文化審議会が新たに国宝に指定することを馳浩文部科学大臣に答申した。対象となるのは、本殿のほか、摂社武内社本殿(せっしゃたけうちしゃほんでん)、瑞籬(みずがき)、幣殿(へいでん)および舞殿(ぶでん)など10棟。古代の社殿形式を保ちつつ、近世的な華やかな装飾を備えた完成度の高い建築であり、社会に広く浸透した八幡信仰の象徴として深い文化史的意義があることが評価された。