フランスのアヌシー市で開催される世界最大規模のアニメーション映画祭。1960年、カンヌ国際映画祭のアニメーション部門を独立させる形で設けられた。当初は隔年開催だったが、98年から毎年開催されている。長編部門、短編部門、テレビ部門、広告部門、卒業作品部門などから成るコンペティション部門のほか、長編・短編部門では非コンペティション部門も上演され、最終日に各部門の受賞作品が発表される。85年からはコンペティションに加え、見本市「国際アニメーション映画マーケット(MIFA)」も同時開催。アニメーションビジネスの場として、各国の関係者から注目されている。2014年6月9~14日に開催されたアヌシー国際アニメーション映画祭2014では、ブラジル作品「オ・メニーノ・エ・オ・ムンド」が長編部門の最優秀作品賞に当たるクリスタル賞とオーディエンス賞を受賞。日本作品は、西久保瑞穂監督「ジョバンニの島」が審査員特別賞、新井風愉監督「ネピア "Tissue Animals"」がコマーシャル部門のグランプリに当たるクリスタル賞、水江未来監督「WONDER」が短編映画を対象にしたカナルプリュス・クリエイティブ・エイド賞を受賞した。また、長年のアニメーション映画への貢献に対して、「平成狸合戦ぽんぽこ」で同映画祭長編部門グランプリ(1995年)を受賞したこともある高畑勲監督に名誉クリスタル賞が贈られた。