ダムや道路、トンネルなどの公共のインフラ施設や、その建設工事の現場などを見学する観光の形態。そうした施設は本来、観光目的に造られたものではないが、ふだんは見ることが難しい迫力のある光景や先進的な建築技術などを楽しめることから、人気が高まりつつある。また、公共事業への理解を深めてもらうと同時に、地域の観光振興につなげることを目的に国土交通省も積極的に推進している。政府が2013年6月に策定した日本再興戦略の「観光立国実現に向けたアクション・プログラム」でも、新たな観光資源の一つとしてインフラを活用することが盛り込まれた。国土交通省の中部地方整備局では、12年5月から、河川、道路、港湾などで見学できる現場をホームページ上で公開し始め、13年度には約4万8000人がイベントなどに参加したという。その他の各地方整備局も現場見学などの名称でPRを進めており、観光業者とタイアップしたツアーや、土木構造物をテーマとした観光パンフレットの発行なども実施されている。