沖縄県八重山諸島の西表島を中心とした島々および周辺海域、石垣島地域にまたがり、日本最南端に位置する国立公園。沖縄がアメリカ軍によって統治されていた1972年4月18日、西表島と周辺海域が当時の琉球政府によって「西表政府立公園」として指定され、同年5月15日、沖縄県の本土復帰に伴って「西表国立公園」に指定される。2007年8月1日に石垣島地域が加えられて、現在の名称となった。マングローブ林や日本では最大規模のサンゴ礁である石西礁湖(せきせいしょうこ)が広がるなど、亜熱帯特有の景観が特徴。西表島には国指定特別天然記念物のイリオモテヤマネコやカンムリワシが生息し、石垣島にはヤエヤマヤシなどの貴重な植物群が見られるなど、多彩な動植物相で知られている。海域は、カヤックやスキューバダイビングなど、マリンスポーツを楽しむのに絶好のポイントとなっている。12年には鳩間島、波照間島を編入。さらに、18年の「奄美・琉球」の世界自然遺産登録へ向けて、公園の規模を拡大し保護を強化するため、16年4月15日、公園区域が八重山諸島の西表島全域(約2万9000ヘクタール)や石垣島北部に拡張された。拡張後の面積は、陸域4万653ヘクタール、海域8万1497ヘクタールの計12万2150ヘクタールとなった。