1969年に京都から東京に遷都されるより前に使われていた旧皇居で、京都市上京区の京都御苑内に位置する。もともとは天皇の居所である内裏(だいり)とは別に、仮に設けられた皇居である里内裏の一つだったが、1337年、北朝の光明天皇在位時に正式な皇居となった。改築や火災などによってたびたび建て替えられており、現在の建物は1854年に焼失し翌55年に再建されたもの。南北約450メートル、東西約250メートルの広さを占め、周囲は築地塀(ついじべい)で囲まれている。古来の内裏の形態を保存しており、天皇の即位など重要な儀式が行われた紫宸殿(ししんでん)、天皇の日常生活の場であった清涼殿、小御所、御学問所、御常御殿などがある。見学の際は西側の清所門(せいしょもん)から入場し、紫宸殿や清涼殿を見ながら、南側の建礼門のそばを通り、回遊式庭園の御池庭(おいけにわ)を抜けて退場するのが標準コースとなっている。従来、春と秋の一般公開時以外は事前の申し込みが必要だったが、政府の観光振興策の一環で、2016年7月26日から通年の一般公開が開始。事前の申し込みが不要となり、土日祝日の参観が可能になるなど、観光客の利便性が高まった。