文化庁が国語施策立案の参考にするために、1995年度から毎年実施している、日本人の国語に関する意識や理解の現状調査。2014年度の調査は15年1~2月に実施され、同年9月にその結果が発表された。調査対象は全国の16歳以上の男女3493人(有効回答率55.6%、1942人)で、社会や家庭での言葉遣い、外国人に対する日本語教育、新しい複合語や省略語、慣用句の意味などについて、個別面接調査が行われた。言い方の使用頻度についてでは、よいか悪いかの判断がつかないときに「微妙」という言葉を使うことがあると回答した人は全体の66.2%となり、同じ質問をした04年度から8.4%増加。「わたしはそう思います」を「わたし的にはそう思います」と言うことがある人も04年度から4.3%増の19.9%になるなど、断定を避けるぼかし言葉の浸透が進んでいることが示された。また、「やばい」を肯定的な意味で使うことがある人は04年度から8.7%増の26.9%、面倒くさいことや不快感、嫌悪感を表すときに「うざい」と言うことがある人は3.0%増の20.0%と、いずれも増加した。「イクメン」「デパ地下」など、新しい複合語、省略語に関して「聞いたことがある」と答えた人は70%台後半から90%台前半と高かったものの、実際に使うことがある人は全体の半数以下だった。14年度調査では、手書き文字と印刷文字の字形について初めて調査。常用漢字表ではどちらも認められている字形、漢字の「保」の右下部分の「木」と「ホ」などを並べて感じ方を尋ねたところ、どちらか一方のみが適切と回答する人が目立った。