歴史的な建造物や景観の保全に優れた業績を上げた人や団体を表彰する賞。建造物や文化的景観、遺跡、歴史風土などの保存や活用の振興を目的として、日本イコモス国内委員会(事務局・東京都千代田区、西村幸夫委員長)が2014年度に創設した。同委員会は、国連教育科学文化機関(ユネスコ)の諮問機関である国際NGO国際記念物遺跡会議(イコモス)の国内組織。賞は、同委員会員が推薦した人物や団体の中から、審査によって候補を選出し、同委員会の理事会が受賞者を決定する。また、同賞と同時に、おおむね45歳未満の若手研究者や団体を対象とした日本イコモス奨励賞も創設された。14年12月に発表された第1回日本イコモス賞には、03~12年に東京駅丸の内駅舎の復元事業でプロジェクト室長を務めた田原幸夫京都工芸繊維大学大学院特任教授と、日本庭園の管理、保存に取り組む文化財庭園保存技術者協議会(京都市、水本隆信会長)が選ばれた。また、日本イコモス奨励賞には、歴史的建造物の保存の歴史をまとめた書籍「建築保存概念の生成史」(13年、中央公論美術出版刊)の著者である清水重敦京都工芸繊維大学大学院准教授が選出された。