昭和を代表する写真家、故木村伊兵衛(1901年12月12日~74年5月31日)の業績を記念して、1975年に朝日新聞社が創設した写真賞。2007年度から朝日新聞出版との共催。プロ、アマを問わず、毎年、優れた作品を発表した写真家に贈られる賞で、雑誌や写真集、写真展などで発表されたものであれば、あらゆる分野の写真表現が対象となる。これまでに、藤原新也、石内都、畠山直哉などの著名写真家が受賞しており、新人の登竜門的位置づけであることから「写真界の芥川賞」とも呼ばれる。自然写真では岩合光昭、星野道夫、今森光彦らが受賞。この他、廃墟にフォーカスを当てた宮本隆司や、2000年に女性写真家3人同時受賞として話題を呼んだ蜷川実花、長島有里枝、HIROMIXなどがいる。14年2月5日、第39回の受賞者発表が行われ、森栄喜が受賞した。対象作は、同性愛者を公言している森自身や恋人、友人などを被写体とした男性ポートレート写真集「intimacy」(ナナロク社刊)。