映画芸術科学アカデミーが主催するアメリカ映画最大の祭典で、第1回は1929年に開かれた。受賞者には副賞のトロフィー、オスカー像(正式名はアカデミー・アワード・オブ・メリット)が渡される。第86回の発表と授賞式は、2014年3月2日にロサンゼルスのドルビーシアターで行われた。第86回は、ともに最多10部門にノミネートされた、宇宙空間でのトラブルを描いたアルフォンソ・キュアロン監督の「ゼロ・グラビティ」と、1970年代アメリカで起こった収賄事件を題材にしたデビッド・O・ラッセル監督の「アメリカン・ハッスル」、9部門にノミネートされた、奴隷制下のアメリカで奴隷として売られた自由黒人の回想録を映画化した、スティーブ・マックイーン監督の「それでも夜は明ける」の3作品の受賞レースが注目された。結果、「それでも夜は明ける」が黒人監督による初の作品賞に輝いたほか、助演女優賞と脚色賞を獲得。「ゼロ・グラビティ」は監督賞をはじめ7部門で受賞。「アメリカン・ハッスル」はいずれの賞も逃した。長編アニメ部門には宮崎駿監督の「風立ちぬ」、短編アニメ部門には森田修平監督の「九十九(つくも)」がノミネートされていたが、両作品とも受賞はならなかった。第86回の主な賞は次の通り。
◆作品賞「それでも夜は明ける」◆監督賞アルフォンソ・キュアロン(「ゼロ・グラビティ」)◆主演男優賞マシュー・マコノヒー(「ダラス・バイヤーズクラブ」)◆主演女優賞ケイト・ブランシェット(「ブルージャスミン」)◆助演男優賞ジャレッド・レト(「ダラス・バイヤーズクラブ」)◆助演女優賞ルピタ・ニョンゴ(「それでも夜は明ける」)◆脚本賞スパイク・ジョーンズ(「her 世界でひとつの彼女」)◆脚色賞ジョン・リドリー(「それでも夜は明ける」)◆撮影賞エマニュエル・ルベツキ(「ゼロ・グラビティ」)◆編集賞アルフォンソ・キュアロン、マーク・サンガー(「ゼロ・グラビティ」)◆美術賞「華麗なるギャツビー」◆衣装デザイン賞キャサリン・マーティン(「華麗なるギャツビー」)◆メーキャップ&ヘアスタイリング賞「ダラス・バイヤーズクラブ」◆作曲賞スティーブン・プライス(「ゼロ・グラビティ」)◆視覚効果賞「ゼロ・グラビティ」◆音響編集賞「ゼロ・グラビティ」◆録音賞「ゼロ・グラビティ」◆歌曲賞「Let It Go」(「アナと雪の女王」)◆長編ドキュメンタリー賞「バックコーラスの歌姫(ディーバ)たち」◆長編アニメーション賞「アナと雪の女王」◆外国語映画賞「追憶のローマ」(イタリア映画)