オリンピックの大会ごとに作られるシンボルマーク。5色の輪からなるオリンピックシンボルと、開催都市などの特徴を表す要素とを組み合わせたデザインが用いられる。デザインや使用についてはオリンピック憲章でルールが定められており、(1)オリンピックシンボルがエンブレムの3分の1以上の面積を占めてはならない、(2)シンボルが修正されていたり、欠けていたりしてはならない、(3)開催国で法的に登録し、国際オリンピック委員会(IOC)に証明を提出しなければならない、などの規定がある。国内オリンピック委員会やオリンピック組織委員会は、IOCが承認した場合にエンブレムを創作できる。事前の招致活動で用いられる招致エンブレムと、大会開催時のエンブレムが異なることもある。2020年東京オリンピック・パラリンピックのエンブレムは14年にデザイナーからの公募を開始。アートディレクターの佐野研二郎によるデザインが採用され、15年7月に発表された。アルファベットの「T」をモチーフにしたデザインで、「Tokyo(東京)」「Team(チーム)」「Tomorrow(明日)」の意味が込められているという。このデザインをめぐっては、ベルギーにあるリエージュ劇場のロゴに酷似しているとの指摘が出て、ロゴのデザイナーが使用差し止めを日本オリンピック委員会(JOC)などに求めた。