カトリック教会での崇敬の対象となる最高位。殉教者や、敬虔(けいけん)な信仰を貫いて教えを完全に実行した人などが列せられる。列聖される前の段階は「福者(ふくしゃ)」、列聖調査が始まった段階は「尊者(そんじゃ)」と呼ばれる。殉教者ではない人が聖人と認定されるには、死後二つの奇跡を起こしたことが認定される必要がある。2016年9月4日、貧困や飢餓に苦しむ人々の救済活動に尽力し、ノーベル平和賞を受賞した、故マザー・テレサが聖人に認定され、バチカンのサンピエトロ広場において列聖式が執り行われた。マザー・テレサに祈ったインド人女性の腹部の腫瘍が消えたこと、脳腫瘍を患ったブラジル人男性のために妻がマザー・テレサに祈った結果、回復したことが奇跡とされたことから、聖人に認定された。死後19年での聖人認定は異例の速さ。