日本各地の有形無形の文化財を地域やテーマごとにまとめて認定する国の事業。地域の歴史や文化を国内外に発信して地域活性化を図ることを目的に、文化庁が2015年に創設した。文化財そのものではなく、建造物や遺跡、名勝地、祭りなどをまとめ、歴史、文化を伝えるストーリーを認定の対象とする。その中に、国が指定する文化財や遺跡などを必ず一つは含んでいることが条件。単一の市町村内でストーリーが完結する「地域型」と、複数の市町村にまたがってストーリーが展開する「シリアル型(ネットワーク型)」の2種類が想定されている。認定の申請は原則、市町村が行い、外部有識者による日本遺産審査委員会の審査を踏まえて、文化庁が認定する。15年4月に発表された第1弾では、申請された83件から18件を認定。水戸藩校だった旧弘道館をはじめ茨城など4県の旧教育施設で構成する「近世日本の教育遺産群」、四国4県にまたがる「四国遍路」、福岡県太宰府市の大宰府政庁跡を中心とした「古代日本の西の都」などが選ばれた。文化庁では16年度以降も年1回新たな認定を行い、東京オリンピック・パラリンピックが開催される20年までに100件程度に増やすとしている。