母国・地域を離れて難民となった選手にもオリンピックへの出場機会を与えるため、国際オリンピック委員会(IOC)が結成した難民による選手団。2012年のロンドン・オリンピックでは、南スーダンからの難民である男子マラソン選手が個人資格で参加していたが、選手団が結成されたのはリオデジャネイロ・オリンピックが史上初めて。IOCは15年、難民支援のために200万ドル(約2億2000万円)を拠出して基金を設立。43人の選手が、支援を受けてリオ・オリンピック出場を目指していた。IOCは16年6月3日、競技ごとの資格条件をクリアした10人の選手を同選手団に加えることを発表。内訳は南スーダンが陸上選手5人、コンゴ(旧ザイール)が柔道選手2人、シリアが競泳選手2人、エチオピアが陸上選手1人で、男子は6人、女子が4人となっている。選手団長は、元女子マラソン世界記録保持者であるケニアのテグラ・ロルーペが務める。ロルーペさんは難民を支援する財団を設立しており、選手団10選手のうち5人に対して支援していた。8月5日のリオデジャネイロ・オリンピック開会式では、オリンピック旗を掲げて入場行進を行った。