世界文化遺産に登録された富士山の環境保全や登山者の安全対策を目的として、登山者から徴収する入山料。近年、登山や観光など富士山の入山者の増加とともに、ゴミの投棄や登山道の破損、トイレの許容量の超過など、自然環境への悪影響も増大。静岡県や山梨県、関係市町村などが対策を議論し、導入の検討を続けていた。2013年夏に試験的に導入され、14年7月1日から本格実施された。協力金は、静岡県や山梨県などの自治体が徴収する。対象者は、登山道開通期間(おおむね7~9月)に五合目から山頂を目指す登山者。協力金の支払いは任意で、金額は1人あたり1000円を基本とし、子どもや障害者は協力できる範囲の額とされている。支払い方法は、静岡県、山梨県あわせて四つの登山ルートの各五合目登山口(静岡県側は御殿場口、富士宮口、須走口。山梨県側は吉田口)などで支払う現地支払と、あらかじめインターネットやコンビニエンスストアで支払う事前支払の二つの方法がある。協力金を支払うと、記念に葛飾北斎の冨嶽三十六景をデザインした缶バッジが進呈される。徴収された協力金は、トイレの新設や拡充などの環境保全、救護所拡充などの登山者の安全対策、富士山が有する価値などの情報提供の経費に充てられる。