血液型の一種で、非常に珍しいタイプのRh null(アールエイチ・ナル)のこと。日本語で「黄金の血」と呼ばれることもある。血液型は一般に、赤血球の表面にあり免疫反応を引き起こす抗原の種類によって分類される。最もよく知られるのは、ABO式血液型による分類だが、そのほかにも数多くの分類法が存在する。ABO式血液型とともに、輸血の際などに重視されるRh式血液型は、40種類以上の抗原からなる分類法で、D、C、c、E、eの5種類の抗原の有無による区別が一般的。D抗原の有無のみを見た際に、抗原を持つタイプをRhプラス、持たないタイプをRhマイナスと呼ぶ。通常は5種類の抗原のうち、少なくとも2種類を持っているが、D抗原しか持たないバーディーバー(-D-)など、珍しい血液型も存在する。さらに、Rh抗原を一つも持っていないのがRh null。このタイプの血液には抗原が存在しないため、どの血液型の人にも輸血をすることができる。この血液型の人が出る割合は全人口の0.01%未満と考えられており、2010年時点で確認されているRh nullの人は、全世界でわずか43人といわれる。14年10月と11月には、イギリスの科学情報サイトとアメリカのABCニュースがこの血液型をgolden bloodという呼び方で紹介し、日本でも話題を呼んだ。