沖縄県の沖縄本島北部にあり、亜熱帯照葉樹林が広がる国立公園。2016年6月20日、環境省の諮問機関である中央環境審議会が国立公園に指定するよう答申した。国立公園の指定は、15年3月の妙高戸隠連山国立公園に続き、全国で33番目。対象となる地域は同県国頭(くにがみ)村、大宜味(おおぎみ)村、東村にまたがる陸域1万3632ヘクタールと海域3670ヘクタールで、沖縄海岸国定公園の一部が編入された。同地域は、波の浸食でできた石灰岩の崖やマングローブ林など多様な自然環境を有しているのが特徴で、その中に、絶滅のおそれがあるヤンバルクイナやノグチゲラなど多くの固有種が生息している。政府は、同地域を含む琉球諸島と奄美群島を「奄美・琉球」として世界自然遺産に登録することを目指している。ユネスコ(UNESCO 国際連合教育科学文化機関)からは、登録条件として自然保護の強化が求められているため、同地域を国立公園に指定することによって開発を規制し、登録に向けて前進することが期待されている。