日本森林学会が認定した、林業発展の歴史を示す景観や施設、技術、道具類、資料などのこと。同学会が創立100周年を記念し、日本各地の林業発展の歴史を後世に残す試みとして2013年から選定事業を開始した。年度ごとに学会員から候補を募り、同学会の林業遺産選定委員会の審議を経て発表される。13年度分は、6月から応募を開始。翌14年7月30日、19件の候補のなかから10件が認定された。10件の地域別の内訳は、関東4件、中部3件、関西1件、四国2件。江戸時代の篤林家、興野隆雄の造林技術書「太山(とやま)の左知」などの興野家文書(栃木県)、木材の搬出に使用されたボールドウィン蒸気機関車などを含む木曽森林鉄道(長野県)、四国森林管理局(高知県)に保存されていた林業関係写真、東京大学樹芸研究所岩樟園クスノキ林(静岡県)、猪名川上流域(兵庫県)の里山(台場クヌギ林)など。同遺産は同学会のウェブサイトで写真、解説とともに紹介されている。