個人が住宅の空室などを使って、外国人旅行者などを有料で泊めるサービスのこと。貸し手は自宅やマンションの空室を有効活用でき、旅行者は安く現地での生活に近い滞在ができるなどの理由から人気を博す。こうした宿泊形態を広めたのは、2008年8月にアメリカで設立された仲介ウェブサービスの「Airbnb(エアビーアンドビー)」。宿泊先を探す旅行者に貸し手を紹介するサービスで、15年9月時点で世界190カ国、3万4000以上の都市を対象とするほどに急成長した。13年から日本でもサービスを開始し、15年8月時点で約1万3000件の宿泊場所が登録されている。民泊をめぐっては、高齢化や人口減少に伴って増加している空家対策や、大都市の宿泊施設不足解消としての期待がある一方で、法的な問題も存在する。日本では有料で宿泊先を提供する場合、旅館業法に基づいて必要な施設を整備し、自治体の許可を取らなければならないが、民泊の貸し手の多くは無許可のまま宿泊先を提供していると見られ、国や地方自治体が実態調査に乗り出している。