負けると後がない、大事な取組や試合のこと。2013年9月7日、日本将棋連盟の三段リーグ最終日最終局で、連盟のプロ棋士養成機関「奨励会」に所属する宮本広志三段と鈴木肇三段(いずれも当時)の両者が、勝てば奨励会残留、負ければ退会の「鬼勝負」に挑み、話題となった。奨励会の規定では、満26歳の誕生日を含むリーグ終了までに四段に昇段できない場合、退会となる。ただし、年2回の三段リーグで勝ち越しを続ければ、29歳までリーグに残留できる救済規定がある。宮本三段も鈴木三段も26歳の年齢制限を越えており、勝ち越すことでリーグ残留を続けていたが、ともに9勝8敗で最終局を迎え、互いに負ければ退会となる一戦だった。結果、宮本三段が勝利し、残留を決定。その後、14年3月8日、宮本三段はプロへの最終関門である三段リーグで、四段昇段の条件である上位2人に入り、晴れて四段に昇格、プロ入りを決めた。宮本新四段は28歳で、四段昇段の最高齢記録となった。