将棋で引き分けとなること。短歌などの歌合わせや囲碁などで優劣のつかないことを「持(じ)」というのと同じく、「持」には引き分けの意味があることから、こう呼ばれるようになった。プロの公式戦の規定では、互いの玉が敵陣の三段目以内に入る相入玉(あいにゅうぎょく)となって、勝負の見込みがなく、相手の駒が取れなくなった時点で、盤上と手持ちの駒の点数で勝負を決する点数勝負となる。飛車と角を5点、玉を除いたそのほかの駒を1点とし、24点以上の持ち点がないと負け。両者とも24点以上あれば、持将棋(引き分け)となる。2013年度の公式戦でも、2000局以上の対戦でわずか5局しかないほど珍しいが、14年8月5~6日に、札幌市で第55期王位戦七番勝負の第3局、羽生善治王位と木村一基八段の対戦が行われ、178手で持将棋が成立した。55年の王位戦の歴史では、初めてのことだった。