オリンピックの実施競技や開催地による招致などについて見直す40項目の改革案。開催都市の利益を重視し、オリンピックの魅力を高めることを目的としている。2013年9月に国際オリンピック委員会(IOC)会長に就任したトーマス・バッハが会長選挙の公約として掲げ、就任後に推進。14年12月にモナコで開かれた臨時総会ですべての項目が承認された。改革案では、夏季オリンピックで従来28としていた実施競技数の上限を撤廃し、代わりに競技よりも細分化した種目数で約310、参加選手数約1万500人を新たな上限の目安として設定。一方、冬季については約100種目、約2900人を上限とした。そのうえで、開催都市が実施種目の追加を提案できる権利を認めた。これにより、20年の東京オリンピックでは、実施競技から外れていた野球やソフトボール、空手、スカッシュなどが採用される可能性が高まった。また、オリンピック招致については、開催都市の負担軽減を目的として、既存施設の活用を促すとともに、一部競技を国内の別の都市や他国で実施することを認めた。さらに、招致活動費の一部をIOCが負担することも明記された。こうした改革の背景には、招致や開催の負担増大により、22年冬季オリンピックの招致活動で立候補地の撤退が相次いだことへの危機感があるといわれる。そのほか、オリンピック専門のテレビチャンネルの創設や、IOC委員の定年年齢の引き上げなども盛り込まれた。