マラソン大会で一般のランナーと一緒にコースを走り、テロなどの警戒・警備に当たる警察官。警視庁が、2015年2月22日開催の「東京マラソン2015」で、国内初の試みとして試験的に導入した。20年の東京オリンピック・パラリンピック開催も見据えた警備強化の一環としている。メンバーは、機動隊員などから選ばれた20~40代の64人の警察官で、箱根駅伝や出雲駅伝の経験者なども含まれる。1チーム8人編成の8チームに分かれ、2人1組で約10キロずつ走り、次の組にリレーする。ランナーの目線で警戒を行い、不測の事態に迅速に対応するのが狙いで、頭部に装着した小型カメラからリアルタイムの映像を警視庁本部に送信するほか、特殊警棒や催涙スプレーなども携帯する。ランナーが倒れたり、事故などでけが人が出たりした場合には救護活動にも当たる。13年4月にアメリカのボストンマラソンで起こった爆弾テロ事件を受け、選手、観衆など、多数の人々が集まるスポーツイベントの警備強化が課題となった。東京マラソンも、14年の大会から警備の警察官を約4500人に増やすなど警備体制を強化。15年初頭、過激派組織「イスラム国」(IS)による日本人人質殺害事件が起こったことで、国際テロの懸念が高まったため、同年の大会ではさらに警備体制を厳しくした。ランニングポリス導入のほか、主催者の東京マラソン財団も、金属探知機を50台、警備誘導員を約6000人、監視カメラを21台に増やすなどの措置を取った。