動物の飼育技術や飼育環境の向上、種の保存計画の策定などのため、世界各国の動物園や水族館でつくる国際組織。本部はスイス。1946年に設立された国際動物園長連盟(IUDZG)を前身とし、2000年に世界動物園水族館協会に名称を改めた。15年5月時点で世界各地の23協会が加盟し、50以上の国や地域から300を超える施設、団体が加盟。日本では、協会組織として国内152の動物園、水族館を束ねる日本動物園水族館協会(JAZA)が加盟しているほか、上野動物園(東京都)や多摩動物公園(同)など七つの施設、団体が加盟している。加盟施設間では国際交流が促され、飼育についての情報交換や繁殖のための動物の貸し借りなどが行いやすくなる。加盟に際しては、十分な広さの居住空間を動物に与えること、野生に近い形で飼育してストレスを与えないこと、適正な方法で収集することなどを定めた倫理規定に同意したうえで、WAZA加盟施設2園からの推薦が必要とされている。WAZAは、JAZAに加盟している日本の水族館が、和歌山県太地町のイルカ追い込み漁で捕獲されたイルカを入手していることを以前から問題視しており、2004年にJAZAに対する非難決議を採択した。15年4月には倫理規定違反にあたるとしてJAZAの会員資格を停止し、1カ月以内に改善が見られなければ除名すると通告したが、JAZAは5月に、加盟動物園、水族館で投票を行い、多数決により残留を決定。追い込み漁による野生イルカの調達などを禁止し、飼育イルカの繁殖を推進する方針を打ち出した。