アメリカの大手動画配信事業者、および、同社による有料の動画ストリーミング配信サービス。ストリーミングとは、インターネットを通じてデータをダウンロードしてから再生するのではなく、受信しながら順次再生する方式のこと。同社は1997年に創業し、当初はDVDの宅配レンタルサービスを手がけていたが、2007年にインターネット回線を使った映画やドラマの配信サービスを開始。月10ドル程度の定額料金で見放題になることや、テレビ、パソコン、スマートフォン、ゲーム機など、さまざまな端末に対応していることなどから人気を集めて急成長を遂げた。15年9月時点で世界約50カ国の約6500万人が利用しており、動画配信サービスとしては世界最大手。オリジナル作品の制作、配信に力を入れているのも特徴で、代表作の一つといわれるアメリカの政治ドラマ「ハウス・オブ・カード 野望の階段」は、13年にネット配信ドラマとして初めてエミー賞を獲得した。日本では15年9月1日にサービスを開始。料金は画質に応じて月702~1566円(税込)で、最初の1カ月間は無料で見ることができる。フジテレビと提携して人気番組「テラスハウス」の新シリーズを配信するほか、芥川賞を受賞した又吉直樹の小説「火花」(文藝春秋)の映像化を16年に予定するなど、日本向けのオリジナルコンテンツも充実させると発表している。日本での有料動画配信サービスでは、アメリカ発で日本テレビ系の「Hulu(フールー)」、NTTドコモの「dTV」、ソフトバンクの「UULA(ウーラ)」などが先行し、ネット通販大手のアマゾンも15年9月に有料会員向け配信サービス「amazonプライムビデオ」を開始するなど競争が激化しており、ネットフリックスの参入はその動きに拍車をかけると見られている。