美術館や博物館、寺社仏閣などの歴史的建造物や公共の空間を、国際会議などの会場(venue)として貸し出すこと。参加者に対して、その場所ならではの特別感が演出できるといった利点がある。ヨーロッパでは盛んに取り組まれており、イギリスでは補助金削減による収入減を補うため、1993年に美術館や博物館がユニークベニュー・オブ・ロンドンを設立。大英博物館やロンドン自然史博物館、ウェストミンスター寺院など81の施設が参加している。日本では観光庁が、海外からの訪問客の増加を目的とした官民共同のユニークベニュー利用促進協議会を設置し、利用促進に努めている。2013年9月に東京都港区の芝大門にある増上寺の境内で、アジア最大級の旅行博覧会、「JATA旅博」の前夜祭が開催されたほか、14年5月には広島市で開催された国際会議にあわせて、世界遺産の厳島神社がある広島県の宮島で、「宮島 International Night」が実施された。旅行業者の業界団体である日本旅行業協会(JATA 本部・東京都千代田区)のホームページには、住吉大社(大阪市)やグラバー園(長崎市)、浜松城(静岡県浜松市)、徳川美術館(愛知県名古屋市)、福岡タワー展望室(福岡市)、サンシャイン水族館(東京都豊島区)など、ユニークベニューとして利用可能なさまざまな施設が掲載されている。