日本の伝統的な食文化のこと。2013年12月4日、ユネスコ(国連教育科学文化機関)の無形文化遺産に日本政府の提案が通り、「和食 日本人の伝統的な食文化」として登録された。国内の無形文化遺産登録は22件目だが、食の分野が登録されたのは初めて。同年、農林水産省が発行した「和食」のガイドブックによると、和食は一汁三菜を基本型として次のような四つの構成要素から成るとしている。明確な四季の気候と多雨を生かして収穫される農作物や、潮流に恵まれた漁場から獲れる豊富な魚種などの「食材」。蒸す、煮るなどの多用な調理法と、包丁などの多種の調理器具を用いて工夫された「料理」。低カロリーでバランスの取れた「栄養」。食事の作法や食器などの美、食の場のしつらいなど、客を迎えるための心持ちである「もてなし」。ほかにも、地域に発展した郷土料理、季節や行事に応じた料理や菓子、かつお節や昆布のだしをベースにしたうま味、しょうゆやみそといった日本独自の調味料の使用などが特徴として挙げられている。