ハニュウ・ユヅル。フィギュアスケート選手。
1994年12月7日、宮城県生まれ。4歳でスケートを始める。2009~10年シーズンのジュニアグランプリシリーズ(GPシリーズ)で2勝し、史上最年少14歳でジュニアGPファイナルを制覇。10年3月の世界ジュニアフィギュアスケート選手権では日本人4人目となる世界チャンピオンになり注目を集めた。10~11年シーズンからシニア大会にデビュー。11年2月の四大陸フィギュアスケート選手権は銀メダル。11~12年シーズンでは、12年4月の世界フィギュアスケート選手権で初出場ながらも日本男子最年少銅メダルを獲得した。12~13年シーズンのGPシリーズでは、ショートプログラム(SP)で2度続けて世界歴代最高得点を更新。そのうちNHK杯では初優勝、GPファイナルでは銀メダル。同年12月の全日本フィギュアスケート選手権では、エース高橋大輔を抑えて初優勝。13~14年シーズンのGPシリーズGPファイナルでは、SPで世界歴代最高得点99.84点をたたき出し、SP、フリーともに自己ベストを更新する世界歴代2位293.25点で、世界選手権3連覇中のパトリック・チャン(カナダ)を破って初優勝を果たした。13年12月22日、ソチ・オリンピック代表最終選考会を兼ねた全日本選手権では2連覇。14年2月に行われたソチ・オリンピックでは新種目の団体戦で男子シングルSP1位。個人戦男子シングルでも、SPで史上初の100点超えとなる101.45点をマークし、自身のもつ世界歴代最高得点を再び更新。フリーでも首位を守り、トータル280.09点でオリンピック初出場金メダルに輝いた。同種目では日本男子初制覇、アジア勢としても初、10代での金メダルは史上2人目となる快挙。同年3月、日本で行われた世界選手権では、SP3位と出遅れたが、フリーでは191.35点の高得点をマーク。首位町田樹(たつき)との約7点差を逆転し初優勝。同じシーズン中にGPファイナル、オリンピック、世界選手権の金メダル三冠を達成したのは、02年のアレクセイ・ヤグディン(ロシア)以来、史上2人目。14~15年シーズンではGPシリーズ初戦の中国杯でハン・ヤン(中国)と試合直前の6分間練習で衝突し怪我を負い、続くNHK杯でも苦しい戦いとなった逆境の中、スペインのバルセロナで行われたGPファイナルで2連覇。全日本選手権では3連覇。その後も腹部の手術という試練を乗り越え世界選手権では銀メダルを獲得。15~16年シリーズは11月GPシリーズ最終戦のNHK杯で、ソチ・オリンピックで自身がたたき出したSP世界歴代最高得点を大幅に上回る106.33点をマーク、フリーでは216.02点と、パトリック・チャンの持っていた世界歴代最高得点を軽く抜き去り、史上初の200点超え。トータル322.40点でフィギュアスケート史上、前人未踏、驚異的な300点超えを達成し、圧倒的な勝利で世界を震撼させた。そのわずか約2週間後、12月のGPファイナル(スペイン、バルセロナ)では、SP110.95、フリー219.48、トータル330.43点と三つの世界記録を再び更新して優勝。330点超えという衝撃の得点に加え、2位との37.48点差は史上最大、またGPファイナル3連覇も男子シングルフィギュア史上初。「神の領域」「異次元」とも評される完成度で歴史的快挙を成し遂げた。同月、全日本選手権で4連覇。男子の4連覇は小川勝以来29大会ぶり。