ダニエル・キイス。作家。
1927年8月9日、アメリカ、ニューヨーク州生まれ。ブルックリン・カレッジで心理学を学び、雑誌の編集者や高校の英語教師などを経て、作家としてデビュー。59年、特殊な脳手術によって天才的な知能を得た知的障害者の青年の人生を描いた中編小説「アルジャーノンに花束を」を発表し、翌年、優れたSF作品に贈られるヒューゴー賞を受賞。66年に長編として改めて出版され、ヒューゴー賞と並んで世界的なSF文学賞であるネビュラ賞を受賞。世界的なベストセラーとなった。日本語翻訳版は78年に早川書房から刊行され、これまで単行本、文庫本を合わせて320万部を発行。同作は68年の「まごころを君に」(原題「Charly」)など、これまで3度映画化され、日本では2002年にフジテレビ系でドラマ化された。その他の主な作品には、多重人格をテーマとしたミステリー小説「五番目のサリー」(1980年)、多重人格を持つ男性の半生を描いたノンフィクション作品「24人のビリー・ミリガン」(81年)などがある。作家活動と並行して、66年からオハイオ大学の教授として英文学・創作を教え、2000年に名誉教授となった。14年6月15日、死去。86歳。