オノ・マサツグ。作家、文学者。
1970年11月27日、大分県生まれ。東京大学教養学部卒業。同大大学院総合文化研究科言語情報科学専攻に進み、博士課程単位取得満期退学後、フランスのパリ第8大学で文学博士号を取得。フランス語圏文学を研究すると同時に、自身も執筆を行い、96年に新潮学生小説コンクールで文壇にデビューする。2001年9月に出版された「水に埋もれる墓」(朝日新聞社)で、第12回朝日新人文学賞を受賞。01年発表で、02年6月に単行本が刊行された「にぎやかな湾に背負われた船」(朝日新聞社)は、同年の第15回三島由紀夫賞を受賞した。芥川賞では、「水死人の帰還」で03年の第128回に、「マイクロバス」で08年の第139回に、「獅子渡り鼻」で13年の第148回にノミネートされるも、いずれも受賞には至らなかった。その間、06年に東京大学教養学部助手になり、07年明治学院大学文学部専任講師などを経て、14年に立教大学文学部准教授に就任した。同年には雑誌「群像」9月号(講談社)に、幼い息子とともに故郷の大分に戻ったシングルマザーを描いた小説「九年前の祈り」を発表。4度目のノミネートとなった同作で第152回芥川賞を受賞した。