カネコ・クニヨシ。画家。
1936年7月23日、埼玉県生まれ。幼少時より美術に優れた才能を見せる。56年、日本大学芸術学部に入学し、歌舞伎舞台美術家の長坂元弘氏に師事。翌年、若手舞踏家集団の二十日会に参加し、第一回公演の舞台を担当。春陽会・舞台美術部門で入選する。大学卒業後、グラフィックデザイン会社に入社しコマーシャル、エディトリアルデザインなどを担当。退職後の64年から独学で油絵を描き始める。翌年、作家の澁澤龍彦と出会う。67年、澁澤の勧めで東京・銀座の青木画廊において初の個展「花咲く乙女たち」を開催し、画壇デビュー。本格的に画家として活動を始める。退廃的な雰囲気の画風で知られ、主な作品に、絵本「不思議の国のアリス」の挿し絵、澁澤の著作の装丁、雑誌「婦人公論」(71~74年)、「ユリイカ」(88~90年)の表紙画などがある。また、唐十郎が主宰する状況劇場の公演、2005年の十八代目中村勘三郎襲名披露口上などの舞台美術、着物や浴衣のデザイン、写真など多岐にわたる分野で活躍。15年2月に、初の自伝「美貌帖」(河出書房新社)を出版した。その他の著書に、「金子國義の世界」(08年、平凡社)などがある。15年3月16日、虚血性心不全のため死去。78歳。