クマクラ・カズオ。俳優、声優、演出家。
1927年1月30日、東京生まれ。旧制都立高校(現首都大学東京)在学中に演劇を始め、卒業後、劇団東芸や日本テレビなどを経て、56年に劇団テアトル・エコーに参加。喜劇を中心に俳優、演出家として活動する。声優の草分け的な存在としても知られ、57年に放送を開始したミステリー番組「ヒッチコック劇場」ではアルフレッド・ヒッチコック監督の吹き替えを担当。64~69年のNHK人形劇「ひょっこりひょうたん島」では海賊トラヒゲの声を演じた。同番組で台本を手がけた放送作家の井上ひさしに劇作を依頼し、69年に井上作の「日本人のへそ」で主演と演出を務める。以後、井上とのコンビで「十一ぴきのネコ」「表裏源内蛙合戦」などの話題作を生み出した。また、「サンシャイン・ボーイズ」など、アメリカの作家ニール・サイモンの作品も日本に紹介した。声優としての出演作も数多く、上記のほかにアメリカのSFドラマ「宇宙家族ロビンソン」のドクタースミスや、イギリスの人気ドラマ「名探偵ポワロ」のポワロなどがよく知られる。69年にはアニメ「ゲゲゲの鬼太郎」の主題歌を歌った。91年に紫綬褒章、98年に勲四等旭日小綬章を受章。2015年10月12日、直腸がんのため死去。88歳。