サイトウ・タカヲ。マンガ家。
1936年11月3日、和歌山県生まれ。本名、斎藤隆夫。50年に、中学を卒業後、家業の理髪店を手伝いながら、映画に浸る一方で漫画家を志し、漫画を描き始める。55年、貸本漫画出版社、日の丸文庫(大阪)に持ち込んだ作品「空気男爵」でデビュー。当時の貸本ブームの中で大ヒットとなった。その後、日の丸文庫を中心に単行本作品を発表、58年に上京した。翌59年、従来の漫画とは違う劇画というドキュメンタリー・ドラマのようなリアルなストーリーを、緻密なタッチで描く手法を追求。同じ手法の辰巳ヨシヒロや松本正彦らと劇画工房を結成。次々に発表される作品は貸本漫画業界で人気を集め、劇画というジャンルが確立された。60年に劇画工房を解散し、個人経営のさいとう・プロダクションを設立(のちに株式会社に発展)。この頃から少年向けの漫画雑誌に進出し、67年から週刊少年マガジン(講談社刊)に「無用ノ介」を連載。同作は69年にテレビドラマ化された。68年には青年向け雑誌ビッグコミック(小学館刊)で、超一流のスナイパー(狙撃手)を主人公とした代表作「ゴルゴ13」の長期連載が始まる。同作は76年に第21回小学館漫画賞を受賞し、テレビアニメーション化、映画化されるなど、大ヒット作品となった。