タチバナヤ・エンゾウ。落語家。
1934年4月3日、東京生まれ。本名、大山武雄。小学校卒業後、家業の紙芝居を手伝う中で落語の道を志し、52年12月に4代目月の家円鏡(7代目橘家圓蔵)に入門して橘家竹蔵を名乗る。55年に9月に二ツ目に昇進して橘家升蔵に改名。65年4月、真打に昇進して5代目月の家円鏡を襲名した。黒縁眼鏡をトレードマークとし、下町の語り口やナンセンスギャグの連発で人気を博して、古今亭志ん朝、三遊亭円楽、立川談志とともに落語四天王と呼ばれた。「談志・円鏡歌謡合戦」や「午後2時の男」などのラジオ番組、「お笑い頭の体操」「やじうま寄席」などのテレビ番組でも活躍し、「ヨイショっと」というかけ声や、妻をネタにした「うちのセツコが」というギャグで親しまれた。焼き肉のたれや眼鏡洗浄剤のCM出演でも知られた。78年の落語協会分裂騒動では師匠とともに一度同協会からの脱退を表明したが、すぐに復帰。82年に8代目橘家圓蔵を襲名し、その後は高座を中心に活動を続けた。2006年、落語協会相談役に就任。15年10月7日、心室細動のため死去。81歳。