レンジョウ・ミキヒコ。小説家。
1948年1月11日、愛知県生まれ。本名、加藤甚吾。実家は代々続く浄土真宗の寺。早稲田大学在学中に文学や映画に関心を持ち、シナリオ研究のためにパリに留学。77年、推理小説「変調二人羽織」が第3回「幻影城」新人賞に入選し、作家デビューした。大学卒業後は、名古屋市で塾の講師をしながら推理小説を執筆。81年に大正期の歌人を主人公にした「戻り川心中」で日本推理作家協会短編賞を受賞し、同作はその後、映画化もされた。その後、84年に歴史小説「宵待草夜情」で吉川英治文学新人賞、同年に恋愛小説「恋文」で第91回直木賞を受賞し、幅広い層から支持される人気作家となった。85年に、若い頃に死別した父の跡を継いで僧侶になり、東京都から愛知県に移住。以後、十数年にわたって母親の介護にあたるなどして、休筆が続き、徐々に寡作になった。2013年10月19日、胃がんのため死去。65歳。