ヒメノ・カオルコ。小説家。
1958年8月27日、滋賀県生まれ。本名は姫野香子(きょうこ)で、ペンネームは本名の読み方を変え、カタカナにしたもの。姫野嘉兵衛(かへい)の別表記を使うこともある。中学のころから作家を志し、青山学院大学在学中に雑誌の読者投稿のリライトや映画評などの執筆を始める。このころから、現在のペンネームを用いていた。大学卒業後、画廊事務を経て、90年に講談社に持ち込んだ「ひと呼んでミツコ」で単行本デビューした。同年、随想風の小説「ガラスの仮面の告白」(主婦の友社刊)を発表。以後、独特の視点と筆致から女性を描く特異な作家として注目を集めていった。97年、「受難」が初めて直木賞候補に選出。その後、2004年の「ツ、イ、ラ、ク」、06年の「ハルカ・エイティ」、10年の「リアル・シンデレラ」と4度候補になったが、いずれも受賞を逃した。14年1月16日、奇異な振る舞いをする両親に育てられた娘の半生を、犬とのエピソード交えて描いた自伝的小説「昭和の犬」(幻冬舎刊)で、ついに第150回直木賞を受賞した。