アラン・チューリング。数学者、論理学者。
1912年6月23日、イギリス、ロンドン生まれ。ケンブリッジ大学卒業。第二次世界大戦中に真空管方式のコンピューター、Colossus(コロッサス)を開発。改良型のColossus Mk.IIでドイツ軍の暗号システム、Enigma(エニグマ)を解読し、連合国軍の勝利に貢献した。戦後は国立物理学研究所に入り、自身の構想によるコンピューターの開発計画「ACE(Automatic Computing Engine)」に取り組んだ。その後、マンチェスター大学に移り、プログラム内蔵型コンピューターの原型ともいうべきチューリングマシンや、人工知能のテスト方式であるチューリングテストを提唱するなど、多くの業績を挙げ、51年に王立協会(ロイヤル・ソサエティー)の会員に選ばれた。しかし、52年に当時のイギリスでは犯罪であった同性愛行為によって逮捕され、有罪判決を受けた。54年に青酸カリ中毒のため、41歳で死去した。66年、アメリカ最大のソフトウエア学会であるACM(Association for Computing Machinery計算機構学会)は、彼の偉大な業績をたたえてチューリング賞を創設。同賞はコンピューター分野で最も権威のある賞となっている。没後59年目にあたる2013年12月24日、エリザベス2世女王の名で死後恩赦が出され、名誉が回復された。