タカハシ・マサヨ。医学者。
1961年6月23日、大阪府生まれ。86年、京都大学医学部卒業。92年、同大大学院医学研究科博士課程修了後、同大医学部眼科助手。95年にアメリカのソーク研究所に留学し、網膜の再生医療の研究を始める。97年に帰国後は京都大学医学部眼科助手に復職し、2001年に同大付属病院助教授。05年に理化学研究所(理研)発生・再生科学総合研究センター(CDB)の笹井芳樹グループディレクター(当時)との共同研究で、マウスのES細胞から光を感知する視細胞を作ることに成功する。06年、同センターに移り、網膜再生医療研究チームリーダーに就任。その後、京都大学の山中伸弥教授が開発したiPS細胞を用いて、視力低下や失明などを引き起こす加齢黄斑変性治療の研究を始める。14年9月には、iPS細胞から作った網膜細胞を滲出(しんしゅつ)型加齢黄斑変性の患者に移植する、世界初のiPS細胞手術を実施したことが世界的に注目を集めた。同年12月には、イギリスの科学誌「ネイチャー」がその年に科学分野で話題を集めた人物を選出する、「今年の10人」の1人に選ばれた。夫の高橋淳京都大学教授も、iPS細胞を用いたパーキンソン病の治療法を研究している。