アカセガワ・シュン。作家。
1931年11月5日、三重県生まれ。本名は隼彦(はやひこ)。美術家、作家の故赤瀬川原平は実弟。大分県立大分第一高校(現・大分県立大分上野丘高校)卒業後、住友銀行勤務など30年にわたるサラリーマン生活を経て、作家に転身。50歳だった82年に近未来のプロ野球をテーマとした中編「球は転々宇宙間」(文藝春秋)でデビューし、翌年、同作で第4回吉川英治文学新人賞を受賞する。その後、野球を題材とした作品を次々と発表。95年、トレードされたプロ野球選手などを描いた「白球残映」(文藝春秋)を発表し、同年の第113回直木賞を受賞した。尾辻克彦名義で81年に第84回芥川賞を受賞していた弟とともに、初めて兄弟での芥川賞、直木賞受賞を果たしたことが話題を集めた。ほかに、戦国大名の大友宗麟を題材にした「王国燃ゆ」(87年、講談社)や、「甚五郎異聞」(2004年、NHK出版)などの歴史小説に加え、恋愛小説、エッセーなども数多く手がけた。2015年1月26日、肺炎のため死去。83歳。