バンドウ・ミツゴロウ。歌舞伎俳優。
1956年1月23日、東京都生まれ。9代目三津五郎の長男。本名、守田寿(ひさし)。長男は2代目坂東巳之助。坂東三津五郎は江戸時代から続く歌舞伎の名跡で、屋号は大和屋。1歳のときに曾祖父である7代目三津五郎に抱かれて初お目見え。62年、6歳で5代目坂東八十助を名乗り、「黎明鞍馬山(れいめいくらまやま)」の牛若丸役で初舞台を踏む。2001年に、10代目三津五郎を襲名。町人の生活や風俗を描いた世話物から時代物、新作歌舞伎まで幅広い役柄をこなし、幼なじみで盟友の故18代目中村勘三郎らと歌舞伎の活性化に努めてきた。日本舞踊の坂東流家元でもあり、踊りの名手として知られた。また、歌舞伎に限らず、映画やテレビでも活躍。主な出演作品に、映画では「武士の一分」(06年)、テレビドラマではNHK大河ドラマ「功名が辻」(06年)、TBS系「ルーズヴェルト・ゲーム」(14年)などがある。そのほか、09年からテレビ朝日系「世界の街道をゆく」のナレーションを担当。大の城好きで、BS朝日「日本の城ミステリー紀行」ではナビゲーターを務めた。著書に「坂東三津五郎 歌舞伎の愉しみ」(岩波書店刊)などがある。1987年芸術選奨新人賞、2006年日本芸術院賞、09年紫綬褒章など受賞歴も数多い。13年に9月に膵臓(すいぞう)の悪性腫瘍(しゅよう)の摘出手術を受け、翌14年4月に舞台復帰したが、同年9月に肺への転移が判明。療養に努めていたが、15年2月21日に膵臓がんのため死去。59歳。