コトショウギク・カズヒロ。大相撲力士。
1984年1月30日、福岡県生まれ。本名、菊次(きくつぎ)一弘。相撲好きの祖父の影響で、小学3年生から相撲を始める。高知県の私立明徳義塾中学に相撲留学し、3年時の98年に中学生横綱となる。明徳義塾高校時代は、国体など7冠に輝く。高校卒業後、佐渡ヶ嶽部屋に入門。2002年1月場所(初場所)に、琴菊次のしこ名で初土俵を踏む。04年1月場所からしこ名を琴奨菊と改め、同年7月場所(名古屋場所)に新十両昇進。05年1月場所に初入幕を果たす。11年9月場所(秋場所)後に大関に昇進するが、その後はけがに苦しみ、負け越すと大関から陥落する角番を5度経験する。16年1月場所は、3横綱を倒すなど初日から12連勝を飾り、14勝1敗の成績で初優勝。日本出身力士としては、06年初場所に大関の栃東(現玉ノ井親方)が優勝して以来、10年ぶりの優勝となった。新入幕から66場所での優勝は、86場所の旭天鵬に次ぐ歴代2位のスロー記録。立ち合い前に両腕を大きく広げて腰をぐっとそらすルーティンも注目を集めた。これは、11年7月場所で大関昇進のチャンスを逃し、精神面の弱さを強化すべく、メンタルトレーニングを取り入れたことがきっかけで生まれたもの。その姿がフィギュアスケートの技であるイナバウアーに似ていることから、「琴バウアー」「菊バウアー」などと呼ばれていたが、優勝後のインタビューで自ら「琴バウアー」と正式に命名した。