シゲヤマ・センサク。狂言師。
1919年12月28日、京都市生まれ。本名、茂山七五三。父は、江戸時代から続く京都大蔵流の3世茂山千作で、5歳のときに「以呂波」のシテ(主役)で初舞台を踏む。41年に徴兵され、海軍で真珠湾攻撃などを経験。終戦後は、弟の茂山千之丞とともに全国の学校を巡演し、狂言の普及に努める。その一方で、当時の能楽界ではタブー視されていた、他流派の狂言師や歌舞伎俳優との共演にも積極的で、テレビドラマにも出演するなど、古典芸能の枠にとどまらない幅広い活動を展開した。66年に当主名の12世茂山千五郎を襲名。「素袍落」「枕物狂」「木六駄」など、代表作は数多く、格調高くも、おおらかで親しみやすい芸風は「天衣無縫」と評された。89年、人間国宝に認定。94年に千五郎の名を長男に譲り、隠居名である4世茂山千作を襲名した後も精力的に活動を続け、「ムツゴロウ」など、新作のスーパー狂言にも取り組んだ。2007年には狂言師としては初めて、文化勲章を受章。13年5月23日、肺がんのため死去。93歳。