フジノ・カオリ。小説家。
1980年2月14日、京都府生まれ。同志社大学大学院在学中に文芸誌への投稿を始め、修士課程修了後は、京都市内の出版社でアルバイトをしながら執筆活動を続ける。2006年にインコに変身した男をめぐる惨劇を描いた小説「いやしい鳥」で第103回文学界新人賞を受賞し作家デビュー。08年9月には受賞作を収録した初の単行本「いやしい鳥」(文藝春秋刊)が出版された。その後、09年に発表した「いけにえ」が第141回芥川賞候補にノミネートされる。13年3月には、母の死後、父の愛人が同居し始めた家庭を舞台とする「爪と目」を発表。3歳の娘が語り手となって父の愛人を「あなた」という二人称で呼びかける手法や、日常に潜むゆがみを淡々と描く筆致などが高く評価され、同年7月に第149回芥川賞を受賞した。