ウエハシ・ナホコ。児童文学作家、文化人類学者。
1962年7月15日、東京都生まれ。89年、立教大学大学院在学中に児童出版社、偕成社に持ち込んだ作品「精霊の木」が刊行され、小説家デビューを果たす。91年に刊行した「月の森に、カミよ眠れ」で、翌年の第25回日本児童文学者協会新人賞を受賞。同作の表紙の絵は、洋画家である父、上橋薫が手掛けた。96年に、30代の女性用心棒バルサを主人公にした冒険ファンタジー「精霊の守り人」で第34回野間児童文芸賞新人賞、翌年に第44回産経児童出版文化賞を受賞。同作は人気を呼び、全10巻の「守り人シリーズ」として書き継がれ、後にアニメ化、漫画化されるほどの大ヒット作となる。2002年、青少年文化に貢献した個人や団体に贈られる巌谷小波(いわやさざなみ)文芸賞を受賞。06年、異世界ファンタジー「獣の奏者」シリーズの第1巻(闘蛇編)を刊行。同シリーズも、後にアニメ化、漫画化された。文化人類学者としては、女子栄養大学助手、武蔵野女子短期大学非常勤講師、川村学園女子大学講師、助教授を経て、同大学の特任教授に就任。「隣のアボリジニ 小さな町に暮らす先住民」(ちくまプリマーブックス)などの著書がある。14年3月24日、児童文学に対する功績が認められ、「児童文学のノーベル賞」といわれる国際アンデルセン賞の作家賞を受賞した。